分離変換で報告書 原子力委 着実推進を要請

原子力委員会は4月28日、研究開発専門部会分離変換技術検討会から「分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方について」と題する報告書の提出を受けた。報告書は、2月にまとめた原案にパブリックコメントを募り、その内容を検討した上で提出されたもの。

原子力委員会は同報告書の内容が適切と判断し、2010年頃に国が分離変換技術を含む高速増殖炉サイクル技術システムの性能目標に対する研究開発の達成度合いを評価することを念頭に、同報告書の内容を着実に推進することを求めた。

同報告書は、@原子力エネルギー供給システムに対する研究開発は、市場優位性を高めるという性能目標の実現可能性への貢献度合いを評価して軌道修正しつつ推進されるべきA「発電サイクル系」と「放射性廃棄物処分系」を中心とした原子力発電システム体系としての特性を評価するための研究を強化していくB連携した合理的な取組により、システムの成立性を決定するような重要な基礎データの充足および基本的ベンチマークの充実を進めるC基礎的な実証を終えているシステムについては、そのシステム開発の妥当性を評価した上で、工学的な成立性の確証を得るため、准工学試験あるいは工学試験を進めるD分離変換を発電炉とは別のシステムで行う階層型概念(ADS)等、工学的必須課題についての研究途上のものは国際的な共同研究などを含めなるべく早くその克服の可能性についての見通しを得るE現在研究開発中の技術概念のより良い組み合わせの可能性を検討する――ことなどを提言している。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで