バルト3国の首相 ビサギナス原発計画で 推進協力を確認

リトアニア、ラトビア、およびエストニアのバルト3国政府首相は4月27日、共同声明を発表し、3国がポーランドと進めているビサギナス原子力発電所建設計画については準備活動などでさらに協力を継続していくとの方針を確認した。

この声明はリトアニアの首都ビリニュスで3国が開催した首相会議でまとめられた。ビサギナス原発計画では現在、候補サイトの環境影響調査が進められており、リトアニア政府所有のプロジェクト会社であるビサギナス原子力発電会社(VAE)の提出した環境影響声明(EIA)報告書は4月22日付けでリトアニア政府・環境省に承認されている。

しかし、最近では同発電所の所有権比率等を巡り参加国間の意見が折り合わず、計画は膠着状態にあるとも伝えられていた。今回の3国首相の共同声明では特に、環境影響調査手続きの完了および最終確認を急ぐことが明記されるとともに、参加国間の協力継続が強調されたもの。

リトアニアは欧州連合(EU)に加盟する際、旧ソ連型原子炉(RBMK)であるイグナリナ原子力発電所(150万kW×2基)の閉鎖に合意。すでに1号機は二〇〇四年に閉鎖し、同2号機も今年末に閉鎖することになっている。ビサギナス発電所は、一時期は同国の総電力需要の8割を賄っていたイグナリナ発電所の代替電源と位置づけられており、ラトビアおよびベラルーシとの国境に近いイグナリナ発電所サイト隣接区域に合計出力340万kW、最新の原子炉設計を採用して建設することで進められている。

3国の首相会議ではこのほか、欧州送電網との接続問題など、エネルギー供給保証の強化や単一の外部供給源への依存脱却などを目的に3国共同で進めるその他のエネルギー・プロジェクトについても合意に達したとしている。


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