英デコミ機構 新規建設用3サイトの競売実施

英国原子力デコミッショニング機構(NDA)は4月29日、英国で新規原子力発電所の建設候補地である3サイトの競売で、2サイトをドイツのRWEエヌ・パワー社とE・ON英国社の企業連合が、残りの1サイトはEDFエナジー社(英BE社を吸収して成立した仏電力の子会社)が落札したと発表した。

これら3サイトはすべて、新規原子力発電所建設計画の戦略的サイト選定評価(SSA)プログラムの一環として、英国エネルギー気候変動省が4月15日付けで公表した11の建設候補地リストに含まれていた。ドイツの企業連合が獲得したのは、グローセスターシャー州オールドベリー原子力発電所に隣接する48ヘクタールと、ウェールズのウィルファ原子力発電所に隣接してNDAとEDFが所有していた178ヘクタール。同企業連合では「英国で少なくとも600万kWの原子炉を建設するという我々の計画の最初の一歩を踏み出すことができた」と強調している。

一方、EDFエナジー社が落札したのは、エセックス州ブラッドウェルの既設原子炉隣接区域の200ヘクタール。同社は競売終了時点で結んだ売買契約により、親会社のEDFがウィルファに保有していた区域の売却手続きを開始する。また、BE社買収時の欧州委員会との誓約、および英国政府による事業者の多様化政策に従い、同社はケント州ダンジネスとランカシャー州ヘイシャムに所有する土地のいずれかを売却する予定で、まもなく手続きの第1段階を始めるとしている。

NDAが今回の3サイト売却で得る収益は3億8,700万ポンド。NDAは、これらは廃止措置費用などに当てたいとの考えを明らかにした。

なお、落札を逃したイベルドローラ社とGDFスエズ社およびスコティッシュ・サザン社の企業連合は、同日、声明を発表。今回の3サイトについては「技術的、経済的、財務的な基準に従い、これ以上の入札は行わない」とする一方、リストに載ったその他のサイトに関して、今後入手の機会を探っていくと明言している。


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