米オバマ大統領 UAEとの原子力協定に署名

米国のB.オバマ大統領(=写真)は21日、米国とアラブ首長国連邦(UAE)の原子力平和利用協力協定案を承認するとともに、原子力法第123条で求められている議会審議に付すため、議会に上程したと発表した。議会会期内の90日間に上下両院が同協定案および国務省が策定した「核拡散評価声明書(NPAS)」に対して合同不承認決議を採択しなければ同協定案は発効する。

UAEとの原子力協定は、G.ブッシュ前政権が政権末期の今年1月に調印までこぎ着けたもので、オバマ政権によるその後の処遇が注目されていた。UAEは昨年3月に公表した原子力開発計画どおり、領土内でのウラン濃縮と再処理を放棄し、国際市場の信頼できる業者から原子燃料を輸入することを確約。国際原子力機関(IAEA)保障措置協定の追加議定書を遵守することは大前提になっている。UAEがこれらのコミットメントに反した場合、米国は同協定を終了させることができる。

また、同協定により米国はUAEに原子力技術や原子炉を含む機器、研究炉および発電炉用設備の移転が可能となるが、機密データや機微な原子力技術と施設、それらの施設内の重要機器類についてはその限りではない。

発表文書のなかでオバマ大統領は、「この協定は私の判断では、関連するすべての法的要求事項を満たすとともに、米国の対外政策上の利益と核不拡散を促進する」と明言。同協定案の核不拡散上の特長により、UAEは責任ある方式で原子力の開発利用を希望するその他の中東諸国の理想的なモデルとなる可能性があると指摘している。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで