カナダのRI生産炉が故障 日本の医療用RI供給にも影響

世界四大医療用アイソトープメーカーの一つ、MDSノルディオン社は19日の発表で、カナダ原子力公社(AECL)の生産炉の事故により、モリブデン99(Mo−99)供給が23日より滞ると通達を受けたことを明らかにした。また、日本への影響について日本アイソトープ協会は27日、同社からMo−99原料の入荷が停止していることから、6月からはテクネチウム製品の一部を除き、供給停止せざるを得ない、とホームページ上で発表した。関係者には代替製品の使用協力を要請しており、新情報は逐次ホームページで知らせる。

AECLは15日、テクネチウム造影剤の原料となるモリブデンを生産するNRU炉の重水がドラムス内に漏れているのを検出。漏洩量は1時間に5kgずつで、修理のため運転再開には1か月以上かかるとしている。

ノルディオン社は、Mo−99の北米供給の50%、世界供給の30〜40%を占める。Mo−99は、約66時間しか半減期がないため備蓄ができず、ノルディオン社は、他国の医療用アイソトープ関係機関への協力依頼を余儀なくされている。AECLは関係者に対し、最新情報を発信し続けていく。

現在、世界の大半のMo−99製造炉が老朽化しており、Mo−99の安定した供給元確保が、世界的な課題となっている。


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