GE日立とインドのL&T社 ABWR開発で覚書締結

GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社は19日、インドに複数のABWRを建設する供給ネットワーク強化のため、同国大手のエンジニアリング・建設企業であるラーセン&トゥブロ(L&T)社と「BWRおよびABWR開発の了解覚書(MOU)」を締結したと発表した。

両社の提携は、昨年10月に米国がインドと民生用原子力協力に関する協定に調印して以来、米国系企業による原子力技術貿易の予備協定としては最初の部類だとGEH社は強調。L&T社のようにインドにおけるABWR建設で助力となる地元供給業者と広範囲なネットワークを構築することはGEH社の重要な戦略の一部だと説明した。

今回の合意により、両社は今後、ABWR建設に必要なエンジニアリング管理や建設の計画を策定。GEH社はL&T社にABWRの原子炉系統設備や主要機器の技術、および関連するエンジニアリング、助言サービスなどを提供する。同社はまた、ABWRの最新モジュール建設技術も協力対象に含める考えだ。

一方、L&T社は原子炉のエンジニアリングや機器製造および建設でGEH社と協働するとともに建設管理サービスを提供。これまでインドにおける加圧重水炉(PHWR)の機器製造や建設、およびプロジェクト管理で主要な役割を果たしてきた同社にとって、今回の覚書締結は同社がABWRの機器・システムを製造・建設していく上で大きな一歩になったとの見解を発表している。

GEH社によると、ABWRはインドが現在の原子力設備容量である約410万kWを2030年までに6000万kWまで拡大するために検討している炉型の一つ。第3世代の先進的原子炉設計として世界でも商業的に実証されている唯一の技術だと強調した。

インドにおいて同社はこのほか、3月に原子力発電公社(NPCIL)とABWRを複数開発するための合意文書に調印。現地供給チェーンの構築や原子炉サービスおよび燃料の供給を含めた新たな原子力ビジネスを模索している。


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