北陸電力、志賀2タービン損傷で 間接損害で日立提訴北陸電力は5月25日、志賀原子力発電所2号機(暫定出力120万6000kW)の低圧タービン羽根損傷に伴い停止した間接損害202億円の損害賠償訴訟を、タービンの設計・製造を行った日立製作所に対して、東京地裁に提訴することを決定したと発表した。 同2号機は国内4基目のABWRとして06年3月から営業運転を開始したが、同型式の蒸気タービンを使用している中部電力の浜岡原子力発電所5号機の低圧タービンで、羽根1本が脱落し停止した故障を受けて点検していたところ、やはり低圧タービンの羽根取り付け部に、同年7月、ひび割れを確認した。 現在、同2号機は応急措置を施して、従来の定格出力135万8000kWから120万6000kWに下げて運転中。 北陸電力では、06年7月から同2号機が低圧タービン羽根の損傷により運転を停止した間、火力発電所の燃料焚き増しにより電力を確保しなければならなかったことから、07年1月から日立と間接損害の費用負担に関する協議を進めてきたが、2年以上経ても話し合いの合意の目途が得られないことから、今回、提訴することになったもの。北陸電力では、「同社は、当社の原子力事業運営上の重要なパートナーであり、誠に残念」としている。 日立は25日、訴訟提起の決定について、「内容を確認した上で、慎重に対応していく」とのコメントを発表した。 中部電力でも昨年9月、タービン製造元の日立に浜岡5号機(暫定出力126万7000kWで現在は運転中)の停止中の逸失利益418億円の支払いを求め、東京地裁に提訴している。同電力でも提訴の際、「同社が今後も大切なビジネスパートナーであることは言うまでもないが、お客さんや株主をはじめとしたステークホルダーの皆さんからも理解を得られるよう、公正な解決を図っていきたい」としていた。 |
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