露TENEX社 米国の民間3企業と 濃縮ウラン供給契約を締結ロシアのウラン製品・サービス販売企業であるテクスナブエクスポート(TENEX)社は5月26日、ロシア産ウラン製品の対米輸出規制が昨年2月に緩和されて以来初めて、米国の原子力発電企業3社からなるフュエルコ社に直接、濃縮ウランを供給する長期契約を締結したと発表した。 フュエルコ社は米国のパシフィック・エナジー・フュエル社(パシフィック・ガス&エレクトリック社の子会社)とユニオン・エレクトリック社(アメレン社の子会社)、およびルミナント社が原子炉用燃料とサービス調達のための協力会社として2003年に設立したもの。契約はこれら3社がそれぞれ、TENEX社と結んでおり、調印はTENEX社の親会社であるロシアの総合原子力企業ロスアトム社のオフィスで、S.キリエンコ総裁も同席して行われた。 今回の契約により、TENEX社は2014年から20年まで、ロシア国内の4つの遠心分離濃縮工場で生産した濃縮ウランをフュエルコ社の3社に供給する。 米国は1992年、旧ソ連諸国から米国向けに輸出されるウラン製品の量を直接的・間接的を問わず制限し、国内ウラン産業を保護することを目的とした「ダンピング調査保留協定」を、ロシアを含めた旧ソ連諸国と締結。翌93年にロシアの核兵器解体から出る高濃縮ウランを低濃縮ウランに希釈して米国に20年間供給する契約(HEU協定)をロシアと結んで以降は、同国から米国へのウラン製品輸出は、米国政府の代理機関であるUSEC(米国濃縮会社)に対するものに制限されてきた。 米国内の原子力発電会社が、HEU協定終了後の濃縮ウラン供給に懸念を抱いていたこともあり、米商務省は昨年2月、ダンピング調査保留協定の修正条項についてロスアトム社と合意・調印。これにより、ロシアは2011年からHEU協定が切れる2013年までの期間は、少量のウラン製品を直接米国の電力会社へ、また、2014年から20年までについても米国内の濃縮産業を損なわない程度(米国内の商業炉による所要量の20%、新規原子炉については無制限)のウラン製品を米国市場に輸出することが可能になったもの。 |
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