カナダ 大学付属のRI生産炉に助成金

カナダ・オンタリオ州のマクマスター大学は5月30日、同大が保有する研究炉MNRの性能向上、および優秀な原子力専門家を育成する研究訓練施設とするため、同国連邦政府および州政府から2200万加ドルの助成金を交付されることになったと発表した。

これはカナダ連邦政府が3月に打ち出した「知識基盤整備プログラム」――国内の大学やコミュニティカレッジの基盤整備を支援するため、2年間で20億加ドルを拠出――の一環で交付されるもの。1959年に運転を開始したマクマスター大のMNRは出力5MW、濃縮ウランを燃料とする軽水減速・冷却方式のプール型研究炉で、カナダ原子力公社のNRU炉を除けば、同国で唯一、医療用放射性同位元素の生産が可能な原子炉として産業界の小規模ビジネスにも利用されている。

交付金は同炉の物的設備の性能向上のほか、同国の同位元素研究やその生産能力拡大、原子力産業や医療部門の人材育成、および研究活動の促進に役立てられる。また、同大・原子力研究棟の改築と設備向上にも活用され、学部生や研究員、大学院生のための新たな研究ラボや教育施設の整備拡充に当てられる予定だ。


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