米オバマ大統領 イランの核開発疑惑で対話促す

米国のB.オバマ大統領は4日、エジプトのカイロ大学で演説し、核開発が疑われているイランについて、あえて「核不拡散条約の枠内であればイランを含め、いかなる国も原子力を平和利用する権利がある」と述べ、両国は両国間の課題に無条件で取り組み、話し合うべきだとの考えを表明した。

この演説は、相互尊重に基づいて米国とイスラム社会がいかに新しい関係を築いていくべきかを主題に行われたもの。今後はイスラム社会と西側諸国が尊重し合いつつ対話していく必要性を強く訴えるなど、核開発の確固たる証拠がないままイラク戦争に突入した前政権とは一線を画す意図があると見られている。

同大統領はまず、両国間の過去の紛争に捕らわれることなく、米国は前向きに行動を起こす準備があるとイラン国民に訴えるとともに、両国間には相互尊重に基づき、無条件で話し合うべき課題が多数あると指摘した。同大統領はその中でも特に、核兵器開発問題に関して「両国は重大な局面に達している」と言明。単に米国の利益という問題ではなく、中東地域の核開発競争防止が重要との認識を強調した。

同大統領はまた、「ある国々が核兵器を保有し、それ以外は持てない点に抗議する人々の気持ちは理解できる」と述べ、どの国が核兵器を保有できるか選別できる国など存在しないと指摘。だからこそ自分は、核兵器保有国が存在しない世界を模索するという米国の責任を改めて明言したいと述べ、核不拡散条約の責任を遵守していさえすれば、いかなる国も原子力を平和利用する権利があるとの認識を示した。


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