柏崎7号 営業運転に向け一歩 保安院 7日に新潟県委も審議「健全性問題なし」

原子力安全・保安院は6月29日、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所7号機のプラント全体の設備健全性に関する評価報告書をとりまとめ、「継続的かつ安定的に運転する上で問題ない」との判断を下した。同日開催された経済産業省の「中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会」(委員長=班目春樹・東京大学工学系研究科教授)に報告、了承されたもので、同機は通常の営業運転への移行に向けて最終段階に入った。

東京電力は同機のプラント全体の機能試験を6月19日に終了、同23日には国に対し、最終評価報告書を提出した。

保安院がとりまとめた評価報告書によると、柏崎刈羽7号機の機能試験において、同院が確認の視点としている(1)プラント起動時の設備点検(2)プラント起動時の系統機能試験Bプラント確認試験――を通じ、試験は「適切に実施され、その結果も妥当」と評価した上、同機の「プラント全体の機能健全性に係わる問題はない」と結論付けている。特に、プラント確認試験については、通常の起動時に確認する運転パラメータが約400項目であるのに対し、今回、約2倍の823項目の運転パラメータについて、発電機出力上昇等の各段階ごとに、データ採取・確認を行っていることから、調査・対策委員会で専門評価グループ主査を務める関村直人・東大工学系研究科教授は、「慎重に進められている。今後、他号機の検討にも参考としていく」などと評価している。

保安院は今後、法令に基づき、同機の地震影響、長期間停止を踏まえた特別な保全計画を東京電力に策定・提出させ、確認するとともに、定期検査の最終段階となる総合負荷性能検査を完了させる。これにより同機は本格運転再開となる見通しだ。

また、保安院は4日、柏崎市で発電所の点検・評価状況について住民説明会を開催するほか、東京電力でも8、9日に、それぞれ柏崎市、刈羽村で、中越沖地震以降の取組について地域説明を実施する。

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新潟県の技術委員会も5月23日に続き、7日に開催し、同7号機起動試験の評価結果について審議する。

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保安院は29日の同調査・対策委員会で、柏崎刈羽6号機の耐震安全性評価、設備健全性評価に係わる確認状況も報告した。新たに設定した基準地震動に対し、同機の建屋・設備の安全機能が維持されることが確認され、また、起動についても安全上の問題はないと判断した。


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