米カルバートクリフス3号機計画 州規制当局が建設計画を承認

北米地域でEPR(欧州加圧水型炉)の販売戦略を進めているユニスター社は6月29日、同社が原子炉新設計画を進めているメリーランド州の公益事業委員会(PSE)が、同計画は州民の利益となり必要性を満たすものだと認める最終判断を下したと発表した。

「利益と必要性の証明」(CPCN)と呼ばれるこの承認は、同州内でいかなる建設活動を行う際にも事前に必要な手続きで、計画中の原子力発電施設が現地の大気や水資源、湿地帯に及ぼすであろう環境面、信頼面での影響のみならず、文化的、歴史的な影響についても幅広く審査される。米コンステレーション・エナジー社と仏電力(EDF)の合弁企業であるユニスター社は、同州に立地するカルバートクリフス原子力発電所(=写真)サイトに3号機として160万kWのUS−EPR建設を計画しており、2007年11月に同州のPSCにCPCNを申請。それ以来、PSCは州内で数多くの公聴会等を開催し、同社の申請について審査を重ねていた。

今回のCPCN承認により、ユニスター社では建設に至るまでの州の規制手続きの中で重要な局面をクリアしたと評価。「州はクリーンで安全かつ信頼性が高く、COを出さない電源による電力の調達を約束した」と強調した。

なお、ユニスター社は今年5月、同建設計画が連邦政府による融資保証制度の最終審査段階に残った4件のうちの1つに選定されたことを公表。6月にはベクテル社が同計画の土木建築業務について、アメリカ労働総同盟・産業別労働組合会議の建築・建設業部など複数の労働組合と雇用前労使協定(PLA)を締結済みだ。ユニスター社は、たとえ条件付きでも今年末までに融資保証の対象となる言質が得られれば、建設の実行について最終判断を下すことができるとしている。


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