ダーリントン計画を一時中断 加オンタリオ州

カナダのオンタリオ州政府は6月29日、ダーリントン原子力発電所サイトで進めているリプレース用原子炉2基の建設計画で、原子炉機器調達のための設計提案(RFP)手続きを一時中断すると発表した。

この計画は、州政府が2006年に掲げた「20年エネルギー計画」に基づくもので、増加する電力需要への対応、クリーンで信頼性があり、価格も手頃でバランスの取れた電力供給確保のため、州内における既存の原子力発電設備約1400万kWを維持することが目的。昨年3月に二段階構成の原子炉供給業者選定プロセスを公表するとともに、州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社、原子炉の操業を担当するブルース・パワー(BP)社、および関係閣僚2名から成る「機器調達管理チーム」が、仏アレバ社、カナダ原子力公社(AECL)、ウェスチングハウス(WH)社を招待し、今年2月末までに提案書を受理していた。

同州政府は今後も州内の原子力設備の近代化を進めていく方針であることを明言する一方、「今回の競争入札で当州にとって適切と思われる選択肢は提供されなかった」と説明。3社の提案書を注意深く評価した結果、州政府の目的とRFPの要求事項を満たしていたのはAECLによる提案のみだったとしている。しかし、同公社はカナダ政府が原子炉事業部門の一部売却を検討するなど、将来像が不確定であるほか、設定価格が高いこともあり、同州は暫時、手続きの中断を決めたとしている。


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