第3回ものづくり大賞 熟練、若手も対象 原子力ポンプ溶接などで経済産業省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省の四省は10日、第3回ものづくり日本大賞(=ロゴ)受賞者を発表した。同賞は、日本の産業・文化を支えてきた「ものづくり」の中核を担う中堅人材、伝統の技を支える熟練人材、将来を担う若手人材を表彰するもの。内閣総理大臣賞・経済産業大臣賞の表彰式・祝賀会は、7月中旬に行われる。原子力関係の受賞者は以下のとおり。 ▽ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞「優秀施工者(建設マスター)」佐々木昭二・長崎塗装店 歴史的な遺産である原爆ドームの改修工事に参画。同工事では、破壊された状態を維持するため、錆も現状のまま保護するなど通常の施工とは違う高い技術力が必要。高等職業訓練校の講師を4年間務め、日独交流事業において、企業内訓練指導者としてドイツ派遣に参加、また、同ドイツ派遣団の受入担当も務めるなど、後進の指導・育成に大きく貢献。2005年には広島県より「ひろしまマイスター」に認定されている。 ▽ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞「卓越した技能者(現代の名工)」住田俊夫・日立プラントテクノロジー土浦事業所(=写真) 原子力発電設備用ポンプケーシングの溶接やアルミニウム合金の大型部品の溶接に卓越。製缶・溶接分野の秀でた技能により、原子力発電施設の信頼性の高いポンプ製造や重車両が通行可能な架橋システムの生産に貢献。 ▽ものづくり日本大賞経済産業大臣賞(一)製造・生産プロセス部門「J‐PARC大強度陽子加速器のリニアック加速空洞への、無酸素銅電鋳と電解研磨の適用」辻本克也/松岡高明/吉田崇・旭金属工業岐阜安八工場 宇宙誕生を解き明かす原子核物理学や、ナノテクや省エネ環境技術に通じる物質研究等で必要とされる大強度陽子加速器の部品を安価かつ高品質で生産。無欠陥組織の無酸素銅層を装置の内表面に創り出す条件、電解研磨にて均一に研磨できる条件を見出したことで、加速器内に高い真空度をもたらす銅表面処理を実現。 |
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