官民FBR関連5者 実証炉研究開発の進め方まとめる 電力メーカーの積極的参画を

文部科学省、経済産業省、電気事業連合会、日本電機工業会、日本原子力研究開発機構の5者は、高速増殖実証炉・サイクルの研究開発の進め方をとりまとめ、28日の原子力委員会に報告した。来年度の革新技術採否判断、15年の実用化像提示に向け、「研究のための研究」に陥らず、「実用化に向けた研究」とするよう、製造者たるメーカーと、導入者たる電気事業者の積極的参画を求めている。

5者は07年、高速増殖炉の実証ステップとそれに至るまでの研究開発プロセスのあり方について、中間論点整理を実施、将来判断すべき論点を掲げ、例えば、「実証炉のサイズと商業炉に至るまでに必要な炉の基数」は10年頃に暫定、15年頃に確定、「全系統システム試験の要否・仕様」は10年頃に決定、「機器・構造実寸試作の要否・仕様」は15年頃に決定など、「原子力立国計画」にうたう実証炉の25年頃の実現に向け、「判断ポイント」を示した。今回のとりまとめは、この10年時の「判断ポイント」を踏まえている。

このほどの5者とりまとめによるとまず、現在、原子力機構が主体となり実施している「高速増殖炉実用化研究開発」について、研究開発が本格化していく中、中核企業としてものづくりに直接従事する三菱重工、ユーザーとしての電気事業者の双方の意見・考えを踏まえ、十分議論し、適切に研究開発計画に反映できる体制を本年9月までに構築し、プロジェクト全体を俯瞰して戦略的にマネージメントを行う体制を来年4月までに整備することとしている。

三菱重工に対しては、国際競争力ある高速増殖炉を開発すべく、10年の革新技術の採否判断等に向け、主概念のエンジニアリングを責任もって遂行させ、電気事業者に対しては、原子力機構が主体的に実施した技術的な判断等について、ユーザーの視点で経営的な厳しい判断に基づき技術評価を行えるような体制を来年3月までに整備することを求めた。

人材の適切な移転・配置については、開発段階の進捗に伴い、円滑な技術移転が重要となることから、その基本的見通しを本年10月までに関係者間で検討することとしている。

また、5者の実務クラス、有識者による「高速増殖炉サイクル実証プロセス研究会」が「軽水炉から高速増殖炉への移行期」を視点に、第二再処理工場も念頭に含め検討を行った「核燃料サイクル分野の今後の展開」に関する論点整理も合わせて報告された。


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