ベトナムの原子力建設評価委が決定 原子力導入でプレFS国会提出へ

ベトナムの国家原子力発電所建設評価委員会は20日、同国における原子力発電導入に関するプレ・フィージビリティ・スタディ(プレFS)の報告書内容に合意、これを投資報告書として10月の国会に提出することが確実な情勢となった模様。これにより、導入計画に関連した諸案件の動きが加速されることが見込まれる。日本としても今後、国会承認後のステップである正式なフィージビリティ・スタディ(FS)の受注等に向け活動強化の必要性が高まっている。

ベトナムでは2002年から03年にかけて、原子力発電の必要性や経済性のほか、炉型比較、サイト、環境評価、燃料/廃棄物、安全・法規制、人材育成、融資等に関する検討であるプレFSを日本の協力により実施。その報告書は昨年末まで改訂作業が行われ、「2020年までに初号機の運開を目指し、候補地である中南部ニン・トゥアン省の2地点それぞれに100万kW原子炉を2基ずつ、合計4基・400万kW建設する」ことが明記された。

この間、昨年6月にベトナム原子力法が国会を通過し、原子力導入に向けた法的基盤が整備された。また、その後9月には、フック計画投資大臣を委員長とする国家原子力発電所建設評価委員会――関係省の副大臣ら22名で構成――が発足し、同報告書の内容を評価していたもの。今回の同委の合意により、プレFS報告書および同委の評価書は近日中に国会常務委員会に提出され、10月からの国会審議にかけることが検討される。

今後のステップとしてベトナムは、投資検討プロジェクトである正式なFSを2〜3年かけて実施する計画。このFS結果の首相による承認と閣議決定を受けて、プラント入札が行われることになる。

なお、日本は昨年5月に、ベトナム商工省(MOIT)と経済産業省との間で原子力協力文書(MOC)を締結しており、人材育成や法整備など、各種の協力を実施中である。


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