アレバ社とノースロップ・グラマン社 米でEPR機器工場着工

米国のノースロップ・グラマン・シップビルディング社は22日、同社と仏アレバ社の合弁企業であるアレバ・ニューポートニューズ社が、世界最大規模の原子力機器製造エンジニアリング施設の起工式をバージニア州ニューポートニューズ市で執り行ったことを明らかにした。

この施設はアレバ社が開発した第3世代プラスの原子炉設計であるUS−EPR(米国向け欧州加圧水型炉)用の主要大型機器を製造するためのもの。ニューポートニューズ市のノースロップ・グラマン社に隣接する約33万平方フィートの敷地に、米国で今後35年間に新設される原子炉のために、圧力容器や蒸気発生器、加圧器などの機器を供給できるフル・スケールの製造施設を3億6000万ドル以上の資金を投じて建設する。すべての規制承認手続きが順調に進み、資金調達の都合が付けば、2012年頃の操業開始が可能になるとしている。

起工式では、アレバ社のA.ローベルジョンCEOが大型シャベルを手にし、ノースロップ・グラマン・シップビルディング社のM.ペッターズ社長、地元のJ.フランク市長、T.ケイン州知事らとともに建設サイトに鍬入れを行った。同CEOは、同施設が完成すれば500人分以上の雇用が地元に生み出されると強調。「ただ単に原子炉を造るのではなく、米国産業全体に活力を与えるような産業を育成したい」との抱負を述べたと伝えられている。

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ベクテル社との企業連合、ユニスター社とEPC契約の条件規定書に調印

なお、米国のベクテル社は21日、同社とアレバ社の企業連合が、米国で建設されるEPR初号機となるカルバートクリフス3号機建設計画でユニスター社とエンジニアリング・資機材調達・建設(EPC)契約の条件規定書に調印したと発表した。

同規定書には契約条件と関係項目の概要が明記されており、EPC契約全体の交渉における重要ステップ。また、カルバートクリフス3号機のEPC契約は特に、ユニスター社の原子力事業モデルとして認可・開発・建設されるUS−EPRシリーズの最初の標準契約と位置づけられている。アレバ社では「米国でのEPR初号機建設実現に向けた大きな節目となった」と形容。ベクテル社も、「原子力事業に60年以上携わった当社としても、このチャンスには興奮している」と述べ、同社が新規原子炉建設に必要なすべての専門的知見と経験を有している点を強調した。


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