WH社が米制御メーカー買収 NRC認証の計装技術に注目

東芝のグループ会社であるウェスチングハウス(WH)社は7月31日、米国の原子力発電所向け制御装置供給メーカーであるCSイノベーションズ(CSI)社の株主と、同社の買収に関する契約を締結したことを発表した。

CSI社が開発したFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いた制御システム技術は、原子力プラントの安全系デジタル制御システムに適用できる技術として、米国原子力規制委員会(NRC)の認証を今年3月に取得している。

FPGAは、機能や論理ゲート間の接続などを、プログラムできる集積回路で、原子力発電所の安全上重要な計装システムに使用されるため、NRCの審査を受け、認証を得たもの。この集積回路を採用することで、部品調達が容易になるほか、メンテナンスもしやすくなるという。

WH社は、CSI社のこの技術を、既設原子力発電所の安全系制御システムのリプレースに適用していく方針。

また、現在、米国では、30基以上の原子力プラントの新規建設が計画されているが、WH社は、米国で14件のCOL申請が行われている「AP1000」にこの技術を採用した制御装置を採用する。

現在、世界各国において、電力の安定供給と地球温暖化防止の観点から、原子力発電プラントの新規建設や既設プラントのさらなる有効活用などに対する需要が急速に高まっている。このような背景のもと、今後とも東芝およびWH社は、市場の要望に応え提案、受注活動を展開していく考えだ。

CSI社は04年に設立、米国アリゾナ州にある。原子力発電所向けの制御装置を扱っており、売上高は約200万米ドル。


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