経産省 中期目標決定で長期エネ再計算

経済産業省はこのほど、2030年までのエネルギー需給とエネルギー起源CO排出量を試算した「長期エネルギー需給見通し」に対する「再計算」案をとりまとめた。去る6月に麻生首相が発表した温室効果ガス排出削減中期目標を受けたもの。「再計算」は、意見公募を経て、今月中にも最終案がまとまる運び。

昨年5月にとりまとめられた「長期エネルギー需給見通し」は、将来の日本のエネルギー需給構造の姿を描くものとして、エネルギー技術の進展・導入のレベルに応じた「現状固定」、「努力継続」、「最大導入」の3ケースに基づき、20、30年時点での、最終エネルギー消費、一次エネルギー供給、エネルギー起源CO排出量を試算した。

今回の「再計算」では、経済危機の急速な回復、エネルギー価格の高値推移、最先端技術の最大限導入など、マクロフレームの想定を踏まえ、20年時点でのエネルギー起源CO排出量を、「最大導入」ケースで、05年比16%減(当初見通しで同13%減)と試算し、中期目標に掲げる温室効果ガス総排出量同15%減が達成されるよう、産業、民生、運輸、エネルギー転換の各部門での強力な政策の実現を描いている。主な要因としては、(1)道路交通需要の見直し(2)GDP成長率の下方修正(3)エネルギー価格の見直し(4)太陽光発電の拡大――を掲げているが、原子力発電については20年時点で、新増設9基、設備利用率を現状の約60%から約80%に改善することを想定。今回の再計算では、これら原子力発電所の新増設、利用率改善によって、それぞれ約6000万トン、約5000万トンのCO削減効果が見込めるものとみている。


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