文科省 概算要求 FBR技術で約14%増

文部科学省は8月末までに、来年度の予算概算要求をとりまとめた。総選挙で大勝した民主党の鳩山由紀夫代表は8月31日、自民党・公明党の連立政権での概算要求は変更することを明言しており、今後、年末にかけて、政府予算案編成までに紆余曲折が予想される。

同省の一般会計は対今年度予算比14.5%増の6兆461億円、エネルギー対策特別会計が同2.4%増の1501億円を要求。「総合的かつ体系的な基礎科学力強化策の展開」、「低炭素社会の実現を目指した研究開発の推進」を重点に、科学技術振興費では同27.3%増の1兆1145億円の大幅な拡充を図っている。原子力分野では、同10.5%増の2790億円を計上、引き続き研究開発を着実に推進していくこととしている。

原子力分野の金額内訳は、高速増殖炉サイクル技術で、「もんじゅ」の今年度中の運転再開を見据え同13.6%増の394億円、ITER計画で、「幅広いアプローチ」活動の推進に向け同23.8%増の137億円、J―PARCによる研究開発では、共用施設の整備・運営を促進すべく19.3%増の176億円をそれぞれ要求している。また、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術開発は4.9%減の83億円が、基盤強化の取組については、ホット施設を活用した新規プログラムを立ち上げる「原子力基礎基盤イニシアティブ」で今年度のおよそ倍額の19億円、原子力人材育成プログラムはほぼ同額の2億円が計上されている。

会計処理上、原子力分野には含まれないが、来年度からの共用開始を目指すX線自由電子レーザー開発では、施設整備が終盤を迎えることから、同28.3%減の74億円の要求額となっている。その他、活断層の調査・研究を実施する「ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究」の8億円(同29.7%増)、「分子イメージング研究戦略推進プログラム」の20億円(新規)、放射線療法等の人材養成「がんプロフェッショナル養成プラン」の20億円(同10%増)などがある。

予算と合わせ、文科省では、原子力平和利用に関する国際協力推進の体制整備として、「国際協力・保障措置課」の新設など、機構定員要求も行っている。


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