原電 敦賀1号運転延長 来年3月に運転40周年 敦賀3、4計画遅れで

日本原子力発電は3日、敦賀1号機(BWR、35.7万kW=写真、原電提供)の運転終了時期を2016年とする方針を発表した。1970年に運転開始した同機は、経営基本計画等で、10年中の運転停止が打ち出されていたが、今回の延長決定により、国内で初めて40年超の運転に入ることとなる。

敦賀1号機は国内初の商業用軽水炉として、70年3月にデビュー、関西電力、中部電力、北陸電力へ送電、西日本への電力供給の一端を担ってきた。同機が間もなく、運転開始から40年を迎えるに際し、原電は法令に基づき、運転30年以上の炉を対象に実施する高経年化技術評価を行い、それを踏まえた長期保守管理方針を策定、9月3日に国による認可を受けた。

原電では02年、敦賀1号機の10年中の運転終了の方針を打ち出したが、後継となる敦賀3、4号機増設計画の先送り(いずれも国の安全審査中)、また、昨今の地球環境問題への意識高揚、原油価格変動など、周辺環境を踏まえ、停止時期の延長を検討していた。

耐震安全性については、新耐震設計審査指針に照らした評価を実施、主要施設の耐震安全性を確認するとともに、必要箇所には耐震裕度工事が実施されている。

高経年化技術評価では、プラントを構成する安全機能を有する機器・構造物について、60年間の運転期間を仮定し、経年劣化事象が発生する可能性の有無、現状の保全活動の妥当性、耐震性の影響等について検証を行ったところ、一部の機器類では追加保全策を講じることで、40年目以降の運転でも、プラントの健全性を維持できることが確認された。例えば、原子炉圧力容器では、99年の運転開始30年目の高経年化対策で、運転実績に基づく疲労評価を実施することとし、以降、保全実績を積み、その有効性を評価した上、今回の高経年化技術評価では、脆化を考慮した温度管理と非破壊検査を継続することで健全性は確保されるものとしている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで