ベラルーシの原子力導入計画 ロシアの支援で前進

ロシアの原子力総合企業であるロスアトム社の3日付けの発表によると、ベラルーシ政府は1日、同国初の原子力発電所をロシアが建設するための法的な基盤となる両国間の原子力協力協定案を承認した。

同協定案は今年5月に、ロスアトム社とベラルーシのエネルギー大臣が調印していたもので、建設計画全体の推進については先月末、ロシアのD.メドベージェフ大統領がベラルーシのA.ルカシェンコ大統領と非公式協議した際にも話し合われた。ベラルーシ側では同協定の発効に必要な国内手続きをすべて実施したとしており、次のステップとして原子炉建設に関する個別の政府間協定を年末までに締結する。ロシアの支援を受けた同計画は実現に向けて具体的に展開し始めている。

ベラルーシはチェルノブイリ事故の際に多大な汚染被害を被ったが、価格の高騰しやすいロシア産天然ガスへの依存を軽減するため、2008年初頭に同国の安全保障会議が原子力の導入案件を承認。同年5月にはロスアトム社傘下のアトムストロイエクスポルト(ASE)社、仏アレバ社、および東芝/ウェスチングハウス社に対して、同計画への参加について関心を打診していたという。

建設工期などの問題により、ベラルーシは今年1月、ASE社を同計画の主契約者に選択。同国北西部のリトアニアとの国境に近いオストロベツ村を第1立地候補地とし、120万kWのロシア型軽水炉であるAES−2006型炉を2基、ターンキー契約で建設することになった。

1号機の運開は2016年、2号機は18年とする計画で、ベラルーシは今年6月、建設工事とインフラの整備に必要となる90億ドルの借り入れをロシアに申し入れた。これに関してASE社は、同計画の投資オプションを調査するため、今年末までを目処にフィージビリティ・スタディを実施する予定である。


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