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IAEA総会 天野事務局長を承認 核不拡散、燃料供給保証など 問題解決に主導権表明【ウィーン=石井敬之特派員】 国際原子力機関(IAEA)は14日、オーストリアのウィーンで第53回通常総会を開幕。M.エルバラダイ事務局長の演説後、天野之弥・前ウィーン代表部大使が正式に次期事務局長に承認された。天野氏は12月1日より、アジアから初の第5代目事務局長として就任する。 今回が最後の総会となるエルバラダイ事務局長は、原子力発電、燃料供給保証、原子力セキュリティなどについて、就任した98年以降を振り返りIAEAの取組みについて演説。現在9カ国が核兵器を保有し、数か月で核兵器の製造を可能とする核兵器保有可能国が増大しつつあることに懸念を表明。燃料供給保証については、「必ずしも核燃料サイクル開発等の権利を否定するものではない」とした上で、原子力発電導入国が増大しつつある中、燃料供給の信頼性を保証することは喫緊の課題だと訴えた。次期事務局長となる天野氏への強い支持も表明し、同氏がビジョン、公平性、勇気を持ってIAEAを率いることを確信している、と述べた。 事務局長就任の宣誓の後スピーチした天野氏は、核拡散や核テロの世界的なリスク拡大、温室効果ガス排出の増大、エネルギー需要の急増を指摘。IAEAはこうしたグローバルな課題に対して取り組む能力と責任を有しているとし、IAEAが核不拡散と平和利用をバランスよく推進する必要があるとした上で、こうした役割を担うIAEAを加盟各国の協力のもと自ら率いていく姿勢を強調した。 日本からは野田聖子科学技術担当相が「新たなウィーン・スピリットの共有」と題し、IAEAにおける日本の役割と貢献、原子力の平和利用、核不拡散体制の強化の必要性などについてスピーチした。 |
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