【インタビュー】 野党から政権党へ 民主党 エネ調査会事務局長 近藤 洋介 氏に聞く民主党の鳩山内閣が16日発足した。その前日に民主党政策審査会「エネルギー政策調査会」の近藤洋介・事務局長(衆院山形2区、44歳)に、同党のエネルギー政策、地球環境問題などを聞いた。(河野清記者) ――民主党の基本的な原子力政策について。 近藤議員 民主党は07年5月に原子力政策を大きく方向転換した。それまでの「過渡的エネルギー」から「基幹電源として着実に推進」に変更、「次の内閣」で確認した。私は、そのときの「次の内閣」経済産業相だった。 ――その経緯は。 近藤議員 直接のきっかけは高レベル廃棄物処分法をどうするかということだった。党内に核燃料サイクル小委員会を立ち上げ、段階を踏んで相当の議論を経て、結果的に同法に賛成した。約3年かかったが原子力をきちっと位置づけることができた。 ――民主党政策集にもあるが、高レベル放射性廃棄物の最終処分について、国が最終責任を負うとはどのような考えか。 近藤議員 現在の処分主体は中途半端な組織だ。国でも独立行政法人でも一般の民間会社でもない。例えば300年先のことを保障できるのか、受け入れる住民の納得が得られるのか危惧する。法改正してでも、もっと国が前面に出て、技術の確立と最終責任を負う仕組みを考える必要がある。 ――高レベル廃棄物の処分場立地問題だけでなく、原子力発電所の運転問題についても、国と県との判断が異なる場合がでてきているが。 近藤議員 国と自治体との間で十分な協議が行われる法的枠組みをつくると言っている。自治体の権限は何か、県民の安全はどう確保するのか。あいまいな部分をなくしていきたい。 ――「原子力安全規制委員会」の創設も明記している。 近藤議員 規制改革は必要だと考えているが、組織再編論ありきではない。まず大事なことは、安全に原子力発電所の稼働率を上げることで、そのために何をするかだ。以前の「エネルギー省」創設構想から、文科省の原子力研究開発を経済産業省に「原子力行政」を一元化するとの考え方もあるが、組織をいじれば時間がかかり、事がうまくいくとは限らないので、慎重な対応が必要だ。 ――民主党の温暖化ガス排出削減目標はたいへん厳しいが、実行性は。 近藤議員 民主党が以前、国会に温暖化対策法案を提出したときも、25%削減はなかなか難しいと言ってきた。原子力発電の役割を最重要に、省エネ、新エネ対策など総動員して対応していく。 ――本格的なマニフェストを掲げ、政権交代を実現させたわけだが、政策の実現性への自信は。 近藤議員 選挙公約実現に向けて真剣に取り組むのは当然だ。ただ中には、時期尚早だったり、経済・社会状況が変わって実現できないことがでてくるかも知れない。できなかったらその理由をきちっと説明し、次の選挙で国民の審判を仰ぐ。現実的な対応をしていくのであって、心配していない。要は国民との信頼関係が何よりも重要だ。 |
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