次期科技計画 検討を開始 来年度末の閣議決定目指し

総合科学技術会議の基本政策専門調査会(会長=相澤益男・同議員)は1日、11年度からの次期科学技術基本計画の策定に向けた具体的検討を開始した。これまでの3期15年を踏まえ、科学技術政策とイノベーション政策の一体的推進などをポイントに掲げている。

審議に先立ち、菅直人・内閣府科学技術政策担当大臣が挨拶に立ち(=写真)、「科学技術は人類の幸福増進にとって重要」などとした上で、将来を担う世代が「科学技術の分野で活躍したい」と思えるような計画作りを委員らに期待した。

次期計画の検討に当たり、現行第3期計画のフォローアップ状況を内閣府が説明、第4期計画策定に向けて、委員からの自由な意見を求めた。特に、「日本は資源が乏しく人間こそ『資源』」、「技術を産業化していく人材が不足しているのでは」、「企業と大学との人材交流のレベルが低い」など、人材育成に関する声が目立ったが、核融合開発などを例に「長期的プロジェクトに対する研究インフラが欠けている」、「国家戦略として省を越えた取組を」といった意見に加え、CO排出量削減目標達成に向け、「科学技術の総力結集」を次期計画に明確に位置付けるよう訴える発言もあった。

また、第3期計画の掲げる5年間の政府研究開発投資目標25兆円に対し、これまで4年間の累計額が17.3兆円と、達成が極めて厳しい状況に関連し、経済情勢の変化を見据え、「成果目標への転換を考えては」などとする意見もあった。

専門調査会は今後、月1、2回ごとに審議を行い、10年中にも計画案をとりまとめ、11年3月の閣議決定を目指す。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで