ブルガリアの新政権 ベレネ計画で 資金調達構造を再検討

ブルガリア国営通信(BTA)が伝えたところによると、同国のT.トライコフ経済・エネルギー・観光相は9月29日、ベレネ原子力発電所建設計画に対してブルガリア政府が当初計画通り、51%出資する考えはないと発言した。

これは同計画に関する議会の円卓会議終了後、記者会見の席で明らかにしたもの。トライコフ経済相によると、政府は同計画の資金調達構造を再構築するためのコンサルタントを雇い、新たな出資者を募る競争入札手続きを公表する方針だ。

ベレネ原子力発電所建設計画では昨年12月、国営電力であるNEK社がドイツのRWE社と、同建設計画のための合弁企業を設立することで合意。NEK社が51%、残りの49%をRWE社が出資し、2014年までに100万kW級のVVER(ロシア型軽水炉)を2基建設することになっていた。しかし、今年7月の総選挙で発足した中道右派政権は翌8月、財政危機を乗り切るために前政権時代に締結した関連契約の見直しを開始していた。

円卓会議では、同計画の総コストについて様々な見解が錯綜。主契約者が出した当初の見積額である40億ユーロ説のほかに、100億ユーロかかるとの見解も提示され、政府が出資リスクを負った場合の過度な予算負担に対して懸念が表明された。

一方、出席者の1人であるブルガリア原子力産業会議(BULATOM)のB.マンチェフ会長は、「ベレネ発電所は60年にわたって500億〜600億ユーロの利益を生み出す可能性があり、投資額は12年以内に回収できる。政府は合弁会社の出資比率を下げるべきではない」と反論している。

トライコフ経済相は、ベレネ計画実現に向けた最良の資金調達オプションについて、「採算性のある計画なだけに、適切な銀行融資の道を探すべきだ」とコメント。新たなコンサルタントを募集した場合、さらに時間と資金がかさむ可能性があることも認めている。


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