国内初 プルサーマル本格開始 玄海3号が発電再開 来月2日にも、営業運転へ

九州電力の玄海原子力発電所3号機(PWR、118万kW)は9日、プルサーマル発電を開始、今後、調整運転を行い、12月2日には、国の総合負荷性能検査を受検し、国内初の本格的プルサーマル第一号として営業運転に復帰することとなる。8月末に定期検査入りした同機では10月15〜18日、MOX燃料を16体装荷、今月5日に原子炉を起動し、9日の13時48分に発電再開となった。

九州電力のプルサーマルを巡る経緯としては、わが国の長期的なエネルギー安定確保に向けた原子燃料サイクル確立の考えから、04年4月、玄海3号機で10年度までを目途に実施することが決定された。同社の玄海、川内発電所のいずれの原子炉でもプルサーマルは可能なのだが、1基のプラントでより多くの燃料を装荷でき、燃料取扱上の作業スペースが広いことから、玄海3号機での実施となった。04年5月に経済産業省への原子炉設置変更許可申請および安全協定に基づく自治体への事前了解願い提出、安全審査を経て、05年9月に国からの許可、06年3月に地元了解をそれぞれ得た。

電気事業連合会が6月に発表した計画では、15年度までに国内16〜18基の原子炉でプルサーマル導入を目指すこととしており、玄海3号機に続き、中部電力浜岡4号機、関西電力高浜3、4号機、四国電力伊方3号機での開始が10年度までに見込まれている。

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直嶋正行経産相は6日の閣議後会見で、「(プルサーマル計画は)安全性をきちっと確認しながら、推進をしていきたい」と述べた。

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近藤駿介原子力委員長は10日の定例会合で、立地自治体の佐賀県、玄海町の住民に対し、敬意を表するとともに、今後の重要事項として、(1)六ヶ所再処理工場が今後40年にわたり再処理が確実に実施できるようトラブルを克服していく(2)中間貯蔵能力を速やかに整備し実施する(3)高レベル放射性廃棄物の地層処分場立地点を選定する作業を着実に前進させる――を掲げる所見を述べた。

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古川康・佐賀県知事は5日、県として、「現場の作業環境や、国の検査結果についてもしっかり確認していく」とのコメントを発表した。


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