安全委、地質特性「慎重に検討」 福島第一5など耐震評価完了

原子力安全委員会は19日、東京電力による福島第一発電所5号機と福島第二発電所4号機の耐震安全性評価に対する原子力安全・保安院の評価結果を「適切」と判断した。原子力発電プラントの新耐震設計審査指針に基づくバックチェック完了は、同社柏崎刈羽6、7号機、北陸電力志賀2号機に次ぐもの。

鈴木篤之・安全委員長は、同日の臨時会議で、今回の耐震安全性評価での審議過程で、特に留意した事項を、「補足的説明」として発表した。その中で、発電所敷地近傍の地質については、柏崎刈羽と類似的に堆積層が比較的厚いという特徴を有していたことから、地下構造が地震動特性に及ぼす影響等に関して慎重に検討したとしている。

また、対象となるプラントが、運転開始後それぞれ、31年、22年を経過していることから、これまでの運転経験等によって得られた知見の反映と、それに基づく健全性評価の妥当性について、特に留意して審議を行ったとしており、今後の課題として、維持基準の新耐震指針への反映の必要性を指摘した。

中越沖地震を踏まえた耐震安全性評価実施計画見直しの指示を受け、東京電力は08年3月に、福島第一、福島第二の代表プラントとして、それぞれ5、4号機の評価を実施、耐震バックチェック中間報告を保安院に提出した。それを受け、同院は、専門家ワーキンググループによる審議を経て、今年7月、両機に係わる評価を「妥当」と判断、安全委員会での「ダブルチェック」審議がなされた。今回のバックチェック完了までの保安院、安全委員会による専門的審議は、それぞれ46回、19回を数えている。

なお、両発電所の他プラントの耐震安全性評価については、福島第一1〜4、6号機が今年6月、福島第二1〜3号機が同4月に保安院に提出されており、現在、同院での確認が行われている。


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