原子力世論調査 温暖化への貢献、半数認知 廃棄物でNIMBYの傾向

内閣府は11月26日、「原子力に関する特別世論調査」の結果概要を発表した。原子力発電の地球温暖化対策への貢献については、約半数が認知しているものの、高レベル放射性廃棄物処分場の居住地近隣への立地には約8割が反対の考えを持っているNIMBYの傾向が明らかとなった。

これは、内閣府政府広報室が今年10月、全国20歳以上の国民3000人(有効回収数1850人)を対象に実施した調査で、近年では、05年にエネルギーに関する世論調査が行われているが、今回は、原子力発電に対する意識に加え、高レベル放射性廃棄物への責任、処分場設置の是非についても問うている。

原子力発電の認知度に関し、「日本の電力の約3割は原子力発電によって賄われている」ことを、46.3%が「知っている」と回答、さらに、「原子力発電は、発電の過程でCOが排出されず地球温暖化防止に貢献する」ことは、50.0%が「知っている」としており、この認知度は、05年調査時の35.6%から大幅に上昇している。また、「使用済みの核燃料から再び燃料として使用できるウラン等を回収(再処理)することができれば、ウラン資源の有効利用を図ることができる」ことは、40.6%が「知っている」と回答しており、05年の認知度が34.8%だったことから、核燃料サイクルについても理解が進んでいるものとみられる。

原子力発電の推進に関しては、「積極的に」と「慎重に」を合わせて、「推進していく」の回答が59.6%で、05年調査時の55.1%からやや上昇しており、一方、「将来的には」と「早急に」を合わせて、「廃止していく」は14.6%で、05年とほぼ同率となっている。


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