原産協会主催 高レベル廃棄物シンポ 理解得る難しさ語る

高レベル放射性廃棄物処分の実現を目指して原産協会は11月20日、東京・築地の国立がんセンターで、高知県東洋町が日本で最初に文献調査に応募した事例を参考に、「いかにすれば、地域で冷静な議論ができるか」をテーマとするシンポジウムを開いた(=写真)。招待者や記者を含め約200名が参加した。

開会挨拶した八束浩・同協会常務理事は、「いかに広く社会の理解を得て、この事業を確立させていくのか」という議論と、「いかに地域の理解を得て立地地点を確保するか」という2つの議論が必要だとし、今回の同シンポジウムは、昨年に続き後者の議論を発展させることを目指しているもの、と説明した。

シンポではまず、新潟県柏崎市で議員3期、市長3期を務めた西川正純氏が「私見〜原子力発電をめぐっての冷静な議論は可能か」と題して基調講演を行った。同氏は世界最大規模の原子力発電所と向き合ってきた経験から、反対派との距離感の取り方などを披瀝。高レベル廃棄物の処分場問題については、まず事業当事者の「覚悟」と「使命感」を求めた。また、立地選定プロセスの中で、「当事者のNUMOが先乗りして出て行くのがいいかどうか」と疑問視し、国の役割に期待を示した。

約3年前、文献調査に関心を持ち、日本で最初に公募した田嶋裕起・前東洋町長は「文献調査に応募した町――その時、何が起きていたか」と題して基調講演。地道に勉強会を町議員や町の執行部と行っていた途中に、地元新聞社に記事が掲載され、状況が一変、それからは「反対派による善良な町民を巻き込んだ『反核包囲網』が張りめぐらされていった」と回想した。


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