08年排出量速報 稼働率84%なら90年比3%減に

国立環境研究所は11月11日、2008年度(平成20年度)の温室効果ガス排出量(速報値)を とりまとめた。それによると、08年度の温室効果ガスの総排出量(速報値)は、12億8600万トン。(一部、公表されていないデータは07年度の値を代用しているため、来年4月公表予定の確定値と誤差を生じる可能性がある)

京都議定書の規定による基準年(CO、メタン、亜酸化窒素は1990年度、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄は1995年)の総排出量と比べると、総排出量としては1.9%上回る水準となった。(この数値は森林吸収源対策や京都メカニズムを含むものではないため、この数値と、日本の削減目標であるマイナス6%とを直接対比はできない)

同研究所の試算では、仮に原子力発電所の利用率が長期停止の影響を受けていない時の水準(1998年度の実績値=設備利用率84.2%)にあったとして総排出量を推計すると、08年度の総排出量は90年比で3.1%減になるという。

また前年度との比較でみると、07年度の総排出量と比べ、エネルギー起源二酸化炭素について産業部門をはじめとする各部門の排出量が減少したことなどにより、総排出量としては6.2%減少している。その原因は、金融危機の影響による年度後半の急激な景気後退に伴う、産業部門をはじめとする各部門のエネルギー需要の減少などがあげられるとしている。


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