日中の原産協会が協力協定 安全など包括的に協力

日本原子力産業協会と中国原産協会(CNEA、中国語名は中国核能行業協会)は11月26日、秦山原子力発電所に近い中国・浙江省海塩県のホテルで、「原子力平和利用分野における協力協定」に署名するとともに、記念シンポジウムを開催した。

この協定は、両機関間の協力関係を強化・促進することにより、両国の原子力産業の発展と原子力安全の確保を目的としたもの。情報交換や相互訪問のほか、相互の年次大会への参加や共同セミナーの開催等を含んでいる。26日の署名式では、原産協会を代表して服部拓也理事長が、CNEAを代表して張華祝理事長がそれぞれ署名した。

服部理事長は、30年後には日・中・韓の東アジア地域で150基もの原子力発電所が運転される時代が予見できるとして、「この3国は原子力大国として、全世界に大きな責任を負うことになる。この責任を自覚して協力していきたい」と述べ、日中のみならず、韓国も含んだ東アジア地域での原子力協力を提案した。

張華祝理事長は、「日・中の相互理解を深めるとともに、安全を第一として原子力を推進し、将来的にはより広い分野で、持続的な発展を目指したい」との抱負を述べた。

2007年4月に設立されたCNEAは、現在約250社・団体の会員を持つ民間組織。中国の原子力産業界と政府との橋渡しの役割を果たしているほか、原子力利用の普及・啓発、建設中・運転中の原子力発電所のピアレビュー、人員の教育・訓練、各種基準のとりまとめなども行っている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで