ヨルダン 研究炉の建設で韓国を選定

ヨルダン原子力委員会(JAEC)は3日、同国初の研究炉を建設するため、韓国の企業連合を建設業者に選定した。

この研究炉は、ヨルダンの医療用放射性同位体生産のほか、アカバ近郊で計画している発電炉のための原子力エンジニアや研究者の訓練用に建設するものと見られる。アルゼンチンのINVAP社、中国核工業総公司(CNNC)、ロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社を交えた競争入札の結果、韓国原子力研究所(KAERI)と大宇建設の連合が来年から首都アンマンの北70kmのラムサ市近郊にあるヨルダン科学技術大学(JUST)で出力5MWの新型高中性子束応用炉(HANARO)の建設を開始し、2014年の完成を目指すことになった。契約総額は約2000億ウォン(約1億7300万ドル)と伝えられており、来年3月に正式調印される。

韓国が国産炉を輸出するのは初めてのこと。出力30MWで開発したHANAROをヨルダン用の5MWにスケールダウンして建設する。韓国・教育・科学技術省によれば、HANAROの技術はほぼ100%同国の独自開発によるため、他の原子力先進国との原子力協定に支障を来たす心配はないという。

米仏やロシアなどの有力メーカーが競合する大型商業炉市場に比べ、研究炉の建設はニッチ市場のような位置付けだとし、こうした枠組みの中で今後も受注の機会を見出したいとしている。


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