上関1号 設置許可を申請 12年に着工、18年に営業運転へ 中国電力 同2号機は17年度着工めざす

中国電力は12月18日、経済産業省に、上関原子力発電所1号機(ABWR、137.3万kW、山口県上関町)の原子炉設置許可申請を行った。

本申請に伴い、同機の着工を10年度から12年6月へ、運転開始を15年度から18年3月へとそれぞれ延期、工事計画変更を踏まえた供給計画変更届出も合わせてなされた。

同日、同社の松井三生副社長(=写真の左側)が経産省を訪れ、野口哲男・原子力安全・保安院原子力発電審査課長に原子炉設置許可申請書を手渡した。野口課長は、規制行政庁として「厳正に審査していく」と述べ受領、これにより、上関発電所計画は、2000年10月の旧通産省による第一次公開ヒアリング開催から、9年を経て、国による安全審査に入ることとなった。

上関発電所は、山口県南東部の瀬戸内海に面した上関町長島の最西端に位置し、敷地全体の面積は、埋立部分の約14万平方メートルを含め約51万平方メートル、今年4月に準備工事が始まっている。工事は、08年10月の県による公有水面埋立免許等を取得して行われているが、建設に反対する島民らの危険な妨害行為が繰り返されており、難航している。これら反対運動に関して、申請書提出後、松井副社長は記者団に対し、地区説明会、戸別訪問などを通じ、より一層理解活動に努めていく考えを述べた。

今回の設置許可申請により、安全審査中の原子力発電所は、東京電力東通1号機(06年9月申請)、日本原子力発電敦賀3、4号機(04年3月申請)と合わせ、計4基となった。

また、中国電力は、供給計画変更届出で、上関2号機(ABWR、137.3万kW)についても、着工を15年度から17年度に、運転開始を20年度から22年度に延期した。工事の輻輳を避け、安全かつ確実な工事を進めることを理由としている。


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