日本原燃 ガラス固化状況等報告 模擬廃液使った試験も

原子力安全委員会の再処理施設安全調査プロジェクトチームが12月18日に開かれ、日本原燃が再処理施設の品質保証体制の改善、またガラス固化設備の現状を報告した。

再処理施設の品質保証体制については、平成14年のプール水漏えい問題の反省にたち、体制を見直したが、平成21年1月の高レベル廃液の漏えいや、以降の保安規定違反など、再発防止が不十分であることへの対応状況を報告。現場から1700件にのぼる声を集めるなどして分析し、「思い込み」「確認しなかった、確認不足」「規則の内容が不適切」などの傾向を把握。ルール化が不十分な部分やなぜそのルールを守らねばならないか、あるいは現場の当直長などが忙しく、いろんなマニュアルを守ろうとして大切な部分を見逃す――といった現場からの生の声にも通じる共通要因が浮かびあがってきたという。

委員からは、生きたルールにするための教育の必要性やマニュアルなどの手順について合理的に無駄な部分を省く努力が必要との意見がだされた。日本原燃は、現場に過重な負担にならない合理的な手順やルールの明確化、教育等を検討し改善策を実施。ミスや違反を減じ再発防止をはかる考えを示した。

高レベル廃液のガラス固化設備については、固化セルにおける漏えいやかくはん棒の曲りなどへの対策の状況や第五ステップにおける流下性低下等の原因究明と安定運転への方向につき報告があった。

特に流下性の低下の原因については、日本原子力研究開発機構の研究施設を使って不溶解残渣の成分を調べたり、安定した運転条件を確認するための模擬廃液を使ったコールド試験を行う予定という。運転にあたってはバッチ式で、シミュレーションを交えて補正しつつ運転をすることを考えており、そのためのデータを確認していくという。安定した運転の条件をコールド試験で確認したうえで、アクティブ試験での確認に移ることにしている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで