電源立地交付金制度 要望は「スピーディに対応」 増子経産副大臣 敦賀市で立地地域の意見聴く 首長、使途拡大を歓迎 住民からは産業振興の声も経済産業省は16日、先月の福島県富岡町に続いて福井県の敦賀市役所で、第2回電源立地地域対策交付金についての意見交換会を開き、立地市町村長、住民らとの率直な意見交換を行った(=写真)。電源立地地域対策交付金制度について、政府の行政刷新会議の事業仕分けで、使途を拡大するなど「見直し」すべきとの評決結果を受けて実施しているもの。 前半は、県内発電所立地または隣接の9市町村の首長らとの意見交換を行った。冒頭、増子輝彦・経産副大臣は、「大きな負担を抱えながら、電力供給という大きな使命感をもって対処していただいていることに感謝している」と述べ、交付金制度について「必ずしも十分とは言えないかもしれない。皆さんの意見を聞いて改善していきたい」と語った。 立地地域を代表して、全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)会長でもある河瀬一治・敦賀市長が、「副大臣には使途の自由裁量にする見直し、より使いやすく、福祉の向上にも言及していただいたことに感謝する」と挨拶した後、横尾英博・電力・ガス事業部長が交付金制度の概要について説明した。 各首長らからは、@交付内容・基準の変更などは早い時期に説明してほしいA使途拡大、特に国からの補助事業の地元負担分への充当を認めてほしいB過去の負債返却にも充当できるようにしてほしいC地方公務員の人件費にも充当させてほしいD単年度交付ではなく翌年度への持ち越しも可能にしてほしいE交付手続きの簡素化をF交付金制度の制定前の発電所も交付対象にG他の交付金制度も使途自由化を――などの意見があった。 対して、増子副大臣は、第1回の富岡町での意見交換会と比べて、「今回、『補助裏』の問題や、合併市町村での交付金の使い方などの課題が出された」と総括、「要望はただ聞き置くだけでなく、スピーディーに応えられるような対策を講じて行きたい」と語った。 また、予算査定で厳しい結果が出された(財)電源地域振興センター(新欣樹理事長)の今後の事業活動について、懸念が指摘された点について、増子副大臣は「継続事業についてはいま検討中で、新規事業については難しい状況だ」と説明した。同センターは電源地域の企業立地支援、事業振興指導、企業立地給付金の公募、人材育成・普及啓発などの事業を行っている。 首長の中には、「政権交代で原子力政策がどうなるか心配していた」と吐露する人もおり、同副大臣は「ご心配なく」と応じていた。 後半の住民との意見交換では約100人の地元住民、商工会議所、漁業共同組合、労働組合などの代表も参加した。 商工会議所の参加者からは、「今までの交付金の効果分析はどうなっているか。建物などハードは立派になったが、ソフト面、特に産業振興は十分ではない。いまや官から民の時代であり、各地の商工会議所を交付金の取りまとめ窓口にすべきだ」とする意見も出された。 |
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