原子力事業強化で組織再編 仏アレバ・グループ仏アレバ社は1月28日、同グループ内の事業を戦略的に統一し、専門的事業と顧客満足度促進の相乗効果を高めるために社内体制を再編すると発表した。 ポイントは再生可能エネルギー事業を原子炉事業から切り離すとともに、鉱業事業をフロント・エンド事業から切り離したこと。従来の4事業部門を、@鉱業Aフロント・エンドB原子炉とサービスCバックエンドD再生可能エネルギーE送配電(シュナイダー社の企業連合に売却手続き中)の6部門に再編した。 この体制により、同社は市場からの要望に応じて統合的なオファーを生み出すことが容易になり、グループとしての商業効果を改善。国外の原子力ルネッサンスに投資する上でも一層優位な立場に立てるとしている。 また、原子力関係施設の設計やプロジェクト管理、検査、建設・起動まで、社内の全原子力事業の技術力を横断的にカバーする「エンジニアリング&プロジェクト組織」を設置。大規模プロジェクトや世界レベルの事業展開において、より良い提案をコーディネートできるよう、営業やマーケティングの能力も強化する。これに伴い、執行理事会メンバーのL.ウルセル氏(=写真)が原子力事業の担当責任者に任命され、同組織を監督することになった。 アレバ・グループは世界の原子力市場で事業拡大していくための資金調達や、アレバNP社での提携を解消した独シーメンス社への持ち株分支払いのため、昨年11月に収益率の高い送配電部門をシュナイダー社とアルストム社の企業連合に売却することを決定。昨年末には、UAEの原子力建設事業で同社を始めとする仏国連合が受注を逃した原因として、応札価格の高さなどアレバ社の事業戦略に対する批判が仏国内で高まった。こうした背景が今回の組織再編につながったと見られている。 |
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