ベルギーに保守改修センター WH社

ウェスチングハウス(WH)社は1月21日、仏国など欧州の原子力事業者それぞれの要望に合わせたサービスを提供するため、ベルギーのニベルに「欧州ポンプ&モーター保守・改修センター」を開所した。

ブリュッセルの南30キロメートルに位置するニベルは、欧州のほぼ中央部という有利な立地点。2000平方メートルを超える製造スペースに、WH社は複数の原子炉冷却ポンプとモーターの改修作業を同時に行える特別設計の最先端施設を投資総額600万ユーロで新たに設置した。同センターはトラックの乗り入れが容易なほか、63トンの大型クレーンや垂直・水平両方向の大型旋盤、大型ポンプとモーター機器を扱える動的平衡設備などが整備されている。

年間修理能力は大型モーター20基、ポンプ10台以上で、欧州全域の顧客に革新的なサービスを提供できるハイテク施設であるとWH社は強調。作業の手始めは、フランス電力(EDF)から請け負った仏国内のPWRの1次系モーターおよびポンプの保守作業であることを明らかにした。

WH社は2002年にEDFから燃料集合体供給の大型契約を獲得したほか、仏国のPWRで蒸気発生器(SG)の非破壊検査やアルストム社製発電機の改修作業を請け負うなど、仏国での同社のプレゼンスは確実に拡大中。原子炉の新設のみならず、運転・保守(O&M)事業でも幅広く事業チャンスを獲得していくと見られている。

なおWH社は同施設のほかに、米国ペンシルベニア州マジソンにも同様のポンプ&モーター改修施設を保有。これらを通じて、回転機器に関する同社の25年の経験を顧客サービスに生かしていきたいとの抱負を表明した。


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