福島第一3号でのプル利用容認 佐藤福島県知事が県議会で表明 10年ぶりに計画再開へ 先行事例も視察 地元理解が煮詰まる

佐藤雄平・福島県知事は16日の県議会で、東京電力福島第一3号機のプルサーマル実施を受け入れる考えを表明した。同機のプルサーマル計画は、98年に立地地域の事前了解を得て、国に原子炉設置変更許可申請、99年に許可となったものの、02年の発電所点検記録不正問題で中断されており、今回の県知事発言により、およそ10年ぶりに計画再開に向け動き出すことになる。

東京電力は1月20日、県に対しプルサーマル実施の申し入れを行っている。

佐藤知事は昨年6月の県議会で、プルサーマル計画に関し、「安全、安心の確保を最優先に、慎重に対応」と発言、これを受け、県のエネルギー政策検討会での議論が再開した。県では、国、事業者からの説明聴取に加え、検討会での議論、検証に資するべく、既にプルサーマル発電を本格採用している九州電力玄海発電所の視察も実施した。これらを受け、知事は今回の県議会開会に際し、核燃料サイクル事業に関して「具体化の取組みに一定の進展が見られた」ほか、安全面についても「信頼回復の取組みが行われていると確認した」と述べている。その上で、福島第一3号機の(1)耐震安全性(2)高経年化対策(3)搬入後10年を経過したMOX燃料の健全性――の確認の技術的条件満足の上で、「プルサーマルの実施を受け入れる」と表明した。

さらに知事は、東京電力に対し、「『築城10年落城1日』を肝に銘じ」継続的な信頼回復の取組みを積み重ねることを強く求め、原子力政策全般につき「立地自治体の立場を堅持し、国や事業者の取組みについて厳しい目線で確認する」と述べた。


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