英国政府 AP1000設計に問題提起英国の新規原子炉建設計画で候補となる原子炉設計を審査している保健安全執行部(HSE)は16日、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000に対して「規制問題(RI)」を提起。同設計の遮へい建屋に使われるモジュール構造が原子炉の安全系を十分防護し得ることを証明するよう要求した。 RIは包括的設計審査(GDA)の中で原子炉設計の技術的な問題点について、メーカーに追加説明や設計改良を求めるために提起される文書。設計が「安全でない」ことを意味するものではなく、潜在的に問題となりそうな部分を設計段階で前もって特定し、効率的・効果的な解決を図るのが趣旨だ。HSEは2011年6月末までにGDAを完了する計画だが、AP1000と並行して審査中の仏アレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)に対しても、昨年4月に計装制御(I&C)系の安全性についてRIを提起している。 AP1000では遮へい建屋のモジュール建設工法として、二重の鋼製プレートの間にコンクリートを充填したサンドイッチ構造を提案。HSEは「土木建築」評価のカテゴリーでRIを提起し、同構造が通常運転中のみならず悪天候、および物理的な衝撃を伴うその他の外部災害に際しても原子炉の安全系を十分防護できる強度と耐久性を有することを実証するようWH社に求めている。 WH社では、さらなる分析あるいは試験の実施、設計の一部変更も含めて可能性のある解決方法を検討中。HSEの定めた締め切り期日である10月末までに、詳細な提案と証拠文書を提出する考えだ。 AP1000は2006年1月に米原子力規制委員会(NRC)から設計認証(DC)を受けたが、同年3月にWH社は設計の一部修正をNRCに申請。遮へい建屋についてはNRCも修正審査の中で同様の問題を提起していた。 |
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