NRU炉 4月末、運転再開見込み 最終段階へ作業進行

カナダ原子力公社(AECL)は2月24日、昨年5月の重水漏れにより停止しているNRU炉の運転再開は、最短で4月末になる見通しになったと発表した。

オンタリオ州チョークリバーにある同炉は、造影剤の原料となるモリブデンも含め、世界の医療用アイソトープ需要の3分の1を賄っていることから早期の運転再開が待たれている。これまでに修理作業と関連の修理後試験の43%が完了。重水が漏れた原子炉容器のフロア中央部で遠隔浄化作業や運転再開に向けた炉内構造物の再配置を前倒しで実施した。

現在、容器壁面へのプレート溶接や水平方向の肉盛溶接など、修理工程の中で最も複雑な最終段階の作業が進行中だ。作業の質を向上させるため、溶接チームは引き続きモックアップ設備を使った集中訓練会合を実施しているが、半自動化溶接のためのプログラミングも必要。

このような技術的な現状から、スケジュールが遅延するリスクは依然として存在するものの、AECLでは早ければ4月の末にも同機の運転再開が可能だと判断した。


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