保安院が報告 もんじゅ耐震安全は「妥当」 安全委も近く結論見込み

原子力安全・保安院は、「もんじゅ」の耐震安全性評価を「妥当」と判断し、15日の原子力安全委員会定例会議に報告した。これを受け、同委での「ダブルチェック」が行われることとなるが、すでに専門家ワーキンググループでの予備的調査審議が進められていることから、近く見解を示すものとみられる。

耐震設計審査指針改訂を踏まえ、日本原子力研究開発機構の実施した「もんじゅ」の耐震安全性評価に対し、保安院は、専門家WGによる検討を行い、基準地震動、施設の耐震安全性評価、原子炉建屋基礎地盤の安定性、地震随伴事象のそれぞれについて評価した結果、施設の耐震安全性は確保されるとの結論に至った。耐震安全評価に伴う地質調査・評価に当たっては、敷地が近接していることから、関西電力美浜発電所と日本原子力発電敦賀発電所との共同で実施されており、中越沖地震の知見を踏まえ、基準地震動は、旧指針下の466ガルから、600ガル、760ガルと、2段階にわたり引き上げられている。

また、保安院のもんじゅ安全性確認検討会(主査=大橋弘忠・東京大学工学系研究科教授)は16日の会合で、原子力機構より提出のあった「もんじゅ」の性能試験計画について審議を行い、「安全確保のための基本的な対策が講じられる」と評価した。

約3年間にわたって行われる「もんじゅ」性能試験では、その第1段階として約2か月間実施する「炉心確認試験」で、原子炉出力約1.3%の範囲で臨界状態とし、燃料中の炉物理データの取得など、炉心の安全性を確認する。試験内容に応じて制御棒の引き抜き操作を行うが、保安院による試験計画の確認では、一連の試験実施の安全対策として、「止める」、「冷やす」、「閉じ込める」の基本機能の観点からも、運転状態を考慮した安全確保対策が講じられているものと評価している。

原子力機構では、「もんじゅ」の年度内再開を目指しているが、地元の福井県知事は耐震バックチェック完了の他、経済産業省と文部科学省の両大臣との協議を要求しており、日程的には非常にタイトとみられている。


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