内閣府 「科学技術と社会」世論調査 「原子力など不安1割減少

内閣府がこのほど発表した「科学技術と社会に関する世論調査」(1月実施)によると、科学技術を前向きにとらえる世相が強まっていることが浮き彫りになった。

有効回答数は全国1916人。

科学技術に関する情報をどこから得ているか聞いたところ、テレビ87.1%、新聞・雑誌58.8%、インターネット21.8%、ラジオ12.2%、家族や友人との会話10.1%、書籍9.2%の順となった。

科学者や技術者から話を聞いてみたいか聞いたところ、「聞いてみたい」61.8%、「聞いてみたいとは思わない」37.8%だった。聞いてみたい分野は、地球環境問題61.7%、生命に関する科学技術や医療技術57.3%、食糧問題52.5%、エネルギー問題は47.5%で4位、次いで宇宙・海洋開発44.5%の順となった。07年12月の前回調査と比較すると、生命に関する科学技術や医療技術が52.4%から4.9ポイント上昇している。

科学技術の進展により、「社会や生活の安全性」が向上したと思うかと聞いたところ、「向上した」が84.2%、「向上していない」とする者が11.2%となった。

一方、科学技術のどのようなことに不安を感じるかを聞いたところ、地球環境問題が50.7%、「遺伝子組換え食品、原子力発電などの安全性」が50.2%と高く、以下、「サイバーテロ、不正アクセスなどのIT犯罪」43.8%、「クローン人間を生み出すこと、兵器への利用などに関する倫理的な問題」42.3%などの順となった。前回調査と比較すると、地球環境問題が57.0%→50.7%、「遺伝子組換え食品、原子力発電などの安全性」が59.7%→50.2%、「サイバーテロ、不正アクセスなどのIT犯罪」が51.7%→43.8%と不安を感じる人の割合が減っている。

「日本が国際的な競争力を高めるためには、科学技術を発展させる必要がある」かを聞いたところ、「そう思う」86.7%、「そう思わない」9.4%。「日本の学校での理科や数学の授業は、生徒の科学的センスを育てるのに役立っている」かを聞いたところ、「そう思う」48.2%、「そう思わない」42.1%と拮抗した。

さらに、「資源・エネルギー問題、環境問題、水、食糧問題、感染症問題などの社会の新たな問題は、さらなる科学技術の発展によって解決される」という意見についてどう思うかどうかを聞いたところ、「そう思う」が75.1%、「そう思わない」が18.9%で、肯定的な答えが圧倒的に多く、期待を含め、科学技術への信頼感が高いことが浮き彫りになっている。


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