森電事連会長 温対基本法案で見解 「しっかりと検証、説明を」

電気事業連合会の森詳介会長は19日、定例記者会見を行い、政府が今国会に提出した地球温暖化対策基本法案などについて、改めて電力業界の見解を述べた。

森会長は、同法案が長期にわたって国民生活や産業活動に大きな影響を及ぼすものであることから、「その効果や国民負担などについてしっかりと検証と説明を行い、国民や産業界が納得して行動しなければ成果は期待できない」と主張、国会での十分な議論を期待した。

一方、同法には、中期目標に国際的な公平性や、温暖化対策とエネルギー政策との連携、原子力施策の推進などが盛り込まれた点などは評価した。

また、国内排出量取引制度については、原単位方式が併記されたことから今後の選択肢は広がったものの、本来同制度は、公平な制限量(キャップ)の割当が困難であり、排出権が投機の対象になる恐れがあるなどさまざまな課題があると指摘した。

同会長は、地球温暖化対策の切り札は、「供給面では『原子力』、需要面からは『高効率化と電化』である」とし、原子燃料サイクルを含めた原子力の推進がエネルギー安定供給確保、環境保全、経済性の3つのEを一体的に解決する要であり、「一貫性を持ったブレない政策が不可欠だ」と強調した。


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