UAEが国際教育機関設立へ 米研究機関が協力

アラブ首長国連邦(UAE)のハリーファ科学技術研究大学(KUSTAR)は16日、UAEの民生用原子力開発利用計画における教育機関となる「湾岸原子力インフラ協会(GNEII)」を首都アブダビに設立するため、米国の複数の研究機関と正式な協力合意に達したと発表した。

同意文書(LOI)への調印は、国際原子力機関(IAEA)が15日から開催していた原子力人材開発国際会議出席のため、アブダビを訪れていた人材問題関係の国際的な専門家らによって行われた。(=写真)

UAE側からはKUSTARのほかに連邦原子力規制庁(FANR)と首長国原子力会社(ENEC)が参画する一方、米国側からはサンディア国立研究所(SNL)とテキサス農工大学の原子力安全保障科学・政策研究所(NSSPI)が協力。原子力開発利用における安全確保や安全保障、および保障措置と核不拡散に関する教室指導や実践経験をUAEの人材に提供していく。

今後は、カリキュラムの策定やアブダビでの物理的な設備・施設の設置、職員および客員講師の手配などを行い、設立後5年以内に国際的な基準に合致した教育と訓練のための機関として運営を軌道に乗せる考えだ。

UAEは原子力開発利用にあたり、領土内での濃縮と再処理の放棄を表明していることから、責任を持って平和利用計画を成功裏に実施するには、安全確保や保障措置および核不拡散などの点で世界レベルの実績達成が基盤になると確信。GNEIIを通じて、将来、他の湾岸諸国が民生用原子力利用を導入する際、原子力平和利用文化の醸成と安全確保に関する主要規範の制度化について支援を提供したいとしている。


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