導入国支援 電力中心に中核会社 経産省が原子力部会で表明 「国も一定の関与」

総合資源エネルギー調査会の第23回原子力部会(部会長=田中知・東大院教授)が29日、原子力産業の国際展開をテーマに開かれた(=写真)。席上、経済産業省は新規導入国市場に向けた受注体制について、「国の一定の関与のもとに電力会社を中心として、関係企業も一体となった新しい体制の構築が必要ではないか」との考え方を論点整理の形で示し、電力会社中心の一元的中核会社設立の方向で準備を進めていることを明らかにしたが、「特に官がどうするかは、今日、はっきりと報告できる状況にはない」と述べた。

同省は、原子力産業の国際展開の政策的意義として、(1)熾烈な資源獲得競争を緩和し、ひいては世界・地域の安定と発展に貢献(2)世界での化石燃料消費を抑制し、特に高成長が見込まれる新興国での原子力導入は不可欠(3)日本の安全で信頼性ある技術を普及させ、導入国での原子力安全・核不拡散等を徹底――を挙げ、日本にとっては(1)輸出増大による日本経済への寄与が期待される有力分野の1つ(2)リプレースが本格化する2030年までの間、海外市場獲得を通じ、我が国原子力産業の技術力や人材の維持・強化(3)国内炉型を他国にも普及させることにより、国内システムの孤立化を防ぎ、安全安定運転上のリスクを低減――が図れると指摘している。

新規導入国市場については、発電所建設、運転保守支援、さらには人材育成、制度整備なども含めた二国間協力が必要とし、「システム型輸出」が重要と強調している。


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