JAEAの研究Gr 地球内部での水のふるまい解明

地球内部での高温高圧下で、水はどのような性質をもつのか―普通の液体と同じ分子配列で、水分子は高い運動性を保つことが日本原子力研究開発機構(JAEA)の研究グループの実験によってわかった。

近年、地球深部にも水が含水鉱物の形で存在し、マグマの生成などのさまざまな現象にも水が深く関与していることが明らかになってきているが、水はもっとも身近な存在でありながら、現在もその性質を完全に理解するにいたっていない。今回の研究は、大型計算機を活用した計算と、大型放射光施設での実験をあわせて得られた成果。

JAEAの研究グループは、兵庫県にある大型放射光施設「SPring‐8」を使って1万気圧近い圧力を加えて密度を通常の水と同じに保ったまま400度以上の高温条件を実現してエックス線回折実験を行うことに成功し、このような水の振る舞いを実験で確かめることができた。

JAEAによると、これまで不明であった、通常の水と同程度の密度からより高密度までの領域の超臨界水での水の振る舞いが明らかとなり、水の性質の理解がまた一歩前進した、としている。

また今後、中性子を用いた測定などで、高温高圧の地球深部で重要な働きをしていると考えられている水の役割の解明がさらに進展することが期待されるという。


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