クウェート、サウジアラビア 中東で原子力導入の動き

クウェートは16日、原子力平和利用に関する仏国との協力協定に調印した。

今年1月、同分野の協力に関して両国が仮調印した取り決めに基づくもので、水資源の97%を海水淡水化に依存するクウェートに、仏国が今後、原子力による効率的な脱塩および電力を提供していく枠組みとなる。防衛分野などですでに協力関係にある両国は今後、戦略的パートナーとしての協力を一層、促進・強化する方針だ。原子力分野で仏国側は、EPR(欧州加圧水型炉)と核燃料、および再処理を含めた関連サービス一式を提供する用意があるとしている。

クウェートを含めた中東6か国から成る湾岸協力会議(GCC)は2006年12月、原子力開発平和利用計画策定のための調査開始を公表。昨年12月にはアラブ首長国連邦(UAE)が先頭を切って、4基の原子炉建設を韓国の企業連合に発注した。

〈サウジも開発利用計画の策定開始へ〉

両国に続いてサウジアラビアも今月17日、アブドラ国王が同国の法令に照らし、「アブドラ国王・原子力および再生可能エネルギー都市」を、同国の原子力開発計画担当科学センターとして創設する王室命令を発布した。

同国はGCC諸国の中でも特に人口と経済の規模が大きいことから、石油資源が枯渇する前に潤沢なオイル・マネーで原子力発電所への投資を検討しているもの。関連の産業や科学技術、研究開発を通じて持続的な経済発展を計り、国民の生活レベル向上を目指す。

現地の報道によると、同センターの本部は首都リヤドに置かれ、H.ヤマニ前商工相が理事長を務めることになった。独立の立場の法人として、原子力開発計画の国家政策案を作成するとともに、すべての原子力施設の商業利用と放射性廃棄物の取扱いを監督。国際原子力機関その他の国際機関で同国を代表する組織となる。また、同センターの中枢機関となる最高評議会は首相が責任者となり、関係閣僚らでメンバー構成される予定である。


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