イラン 濃縮ウランの交換を受け入れ

イランは17日、親交の厚いトルコおよびブラジルとの3国サミット開催後に共同声明を発表し、国内の低濃縮ウラン(LEU)を研究炉用燃料と交換するとの意向を明らかにした。米国のオバマ政権がイランへの新たな制裁決議採択に向けてロシアとの協調戦略を強化していることから、追加制裁を回避する狙いがあると見られている。

テヘランで開催した3国サミットで、イランのM.アフマディネジャド大統領は1200キログラムのLEUをトルコに預け、その代りにテヘランにある研究炉用に濃縮度約20%のウラン燃料約120キログラムを受け取る案に同意した。国際原子力機関(IAEA)には1週間以内に正式に通達する考えで、文書による合意が得られれば1か月以内にLEUをトルコに移送。1年以内に研究炉用燃料の供給を受けたいとしている。

IAEAは昨年、医療用アイソトープ生産に使われているイランの研究炉のために、@同国の在庫LEUをロシアに移送して約20%まで濃縮、仏国で燃料集合体に加工する案と、A研究炉に燃料が補給されるまでの間、同LEUをトルコなどの第三国に留め置くという代替案を提示。しかし、昨年11月の時点でイランはどちらの案にも同意していなかった。

同大統領と協議したトルコのT.エルドアン首相は、「この合意はイランが国連安保理の5か国とドイツおよびIAEAとの間で結ぶ恒久的な妥協を促すものだ」と強調。イランの信頼を受け、LEUは(代替燃料が供給されるまで)トルコが安全に保管すると述べた。


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