原子力委 成長へ原子力戦略まとめ 世界最高水準の利用率実現を

原子力委員会は25日の定例会で、「成長に向けての原子力戦略」を決定した。政府が6月に取りまとめる新成長戦略に対し、同委員会として、原子力政策大綱に則り、効果的、重点的に貢献すべき施策を明確化したもの。

同戦略では2020年までの目標として、原子力発電、放射線利用、新たな挑戦を促す環境、国際展開のそれぞれについて、着実に推進すべき取組を述べた。

原子力発電については、世界最高水準の設備利用率の実現、定格出力の向上、高経年化対策の充実、原子力発電所の新増設・リプレースを推進し、原子力発電比率の向上を図る。

放射線利用では、医療分野における放射線利用を促進して健康大国を実現するとともに、農業、工業及び学術分野における利用を促進し、関連する産業を戦略産業に育成することを掲げた。

新たな挑戦を促す環境づくりとしては、原子力発電事業者、企業経営者、地方自治体、住民が技術や制度、事業のイノベーションを通じ、新たな企てに挑戦する気概を持てる環境を整備し、国際展開に向けて、増大する国際社会の原子力発電新増設需要や、途上国における放射線医療を含む放射線利用需要に対し、わが国原子力産業がより大きな役割を果たすよう求めている。

また、「持続的成長のためのプラットフォーム」として、原子力科学技術や、それを担う人材育成にも言及している。


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